福井市で肩の痛みにお悩みの方へ|回旋筋腱板損傷(腱板断裂)
1.病態(病気のメカニズム)
回旋筋腱板損傷(腱板断裂)は、肩関節を安定させる腱板(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)の損傷や断裂によって生じる疾患です。腱板は肩関節の動きを支える重要な役割を果たしており、損傷すると肩の可動域が制限され、痛みが発生します。特に棘上筋が損傷しやすく、肩の動作時に痛みや違和感を引き起こします。
2.症状(どのような痛みがあるか)
腱板損傷の主な症状は以下の通りです:
●肩の運動時痛:腕を上げる際に痛みが強くなる。
●夜間痛:寝返りを打つと痛みが悪化し、睡眠の質が低下する。
●筋力低下:腕を上げる力が弱くなり、物を持ち上げるのが困難になる。
●可動域制限:肩の動きが悪くなり、特定の角度で痛みが生じる。
●肩の異音:肩を動かす際に「ゴリゴリ」「ジャリジャリ」といった音がすることがある。
3.原因(なぜ発生するのか)
腱板損傷の原因は以下のようなものがあります:
●加齢による変性:腱板の組織がもろくなり、損傷しやすくなる。
●肩の使いすぎ(オーバーユース):スポーツや仕事での繰り返し動作が腱板に負担をかける。
●外傷:転倒や肩の強打によって腱板が損傷する。
●血流不足:腱板への血流が低下すると、組織の修復能力が低下し、損傷しやすくなる。
4.治療(どうやって改善するのか)
腱板損傷の治療には保存療法と手術療法があります。
●保存療法(軽度の場合):
-○安静:肩への負担を減らし、炎症を抑える。
-○薬物療法:消炎鎮痛剤やステロイド注射を使用。
-○温熱療法:血流を改善し、筋肉の緊張を緩和。
-○運動療法:肩の可動域を改善し、筋力を強化する。
●手術療法(重症の場合):
-○腱板修復術:損傷した腱板を縫合し、機能を回復させる。
-○人工関節置換術:腱板の損傷が重度で修復が困難な場合に適用される。
5.日々の生活での注意点(予防と対策)
腱板損傷の予防と症状の悪化を防ぐためには、肩の負担を軽減し、適度な運動を取り入れることが重要です。
日常生活での注意点:
●長時間のスマホ・パソコン使用を避ける(肩に負担をかけない姿勢を意識する)。
●適度な運動を取り入れる(肩甲骨のストレッチを習慣化し、筋肉の柔軟性を維持する)。
●寝具の選び方(肩に負担をかけない適度な硬さの枕を使用する)。
●体重管理(過度な体重増加は肩への負担を増やすため、適切な食生活を心がける)。
●ストレス管理(精神的な緊張が筋肉の硬直を引き起こすため、リラックスする時間を作る)。