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福井市で肩の痛みにお悩みの方へ|石灰沈着性腱板炎

1.病態(病気のメカニズム)

石灰沈着性腱板炎は、肩の腱板にリン酸カルシウム結晶が沈着することで炎症を引き起こし、激しい痛みを伴う疾患です。腱板は肩関節の動きを支える重要な組織であり、石灰が沈着すると炎症が生じ、肩の可動域が制限されます。

石灰は、最初はミルク状ですが、時間が経つにつれて歯磨き粉状、石膏状へと硬く変化します。石灰が腱板から滑液包内に破れ出ると、突然の激痛が発生することが特徴です。

2.症状(どのような痛みがあるか)

石灰沈着性腱板炎の症状は、急性型・亜急性型・慢性型に分かれます。

●急性型:夜間に突然発症し、肩を動かせないほどの激痛が生じる。

●亜急性型:中等度の痛みが1~6ヶ月続き、肩の動きが制限される。

●慢性型:運動時痛が6ヶ月以上続き、肩の違和感が残る。

特に急性型では、寝返りを打つことも困難になるほどの痛みが特徴です。

3.原因(なぜ発生するのか)

石灰沈着性腱板炎の原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関係していると考えられています。

●加齢:40~50歳代の女性に多く発症する。

●肩の使いすぎ:腱板に微細な損傷が生じ、石灰が沈着しやすくなる。

●ホルモンの変化:閉経後の女性に多く見られる。

●栄養バランスの乱れ:カルシウム代謝異常が関与している可能性がある。

4.治療(どうやって改善するのか)

治療には保存療法が基本となりますが、症状の程度によっては手術が必要になることもあります。

●保存療法

-○消炎鎮痛剤の内服:炎症を抑え、痛みを軽減する。

-○局所麻酔とステロイド注射:滑液包内に注射し、痛みを緩和する。

-○温熱療法:ホットパックや入浴で血流を改善し、筋肉の緊張を緩和する。

-○運動療法:拘縮予防や筋力強化のためのリハビリを行う。

●手術療法(重症の場合):

-○石灰吸引術:腱板に針を刺し、ミルク状の石灰を吸引する。

-○腱板摘出術:硬くなった石灰を除去し、肩の可動域を改善する。

5.日々の生活での注意点(予防と対策)

石灰沈着性腱板炎の予防と症状の悪化を防ぐためには、肩の負担を軽減し、適度な運動を取り入れることが重要です。

日常生活での注意点

●長時間の同じ姿勢を避ける(デスクワーク時の姿勢改善)。

●適度な運動を取り入れる(肩のストレッチを習慣化し、筋肉の柔軟性を維持する)。

●寝具の選び方(肩に負担をかけない適度な硬さの枕を使用する)。

●栄養管理(カルシウムやビタミンDを適切に摂取する)。

●ストレス管理(精神的な緊張が筋肉の硬直を引き起こすため、リラックスする時間を作る)。