福井市で首や肩の痛みにお悩みの方へ｜頸部脊柱管狭窄症

１.病態（病気のメカニズム）

頸部脊柱管狭窄症は、脊柱管（脊髄が通る空間）が狭くなり、神経が圧迫される疾患です。脊柱管は背骨や椎間板、靭帯などに囲まれていますが、加齢や変性によって狭くなると、脊髄や神経根が圧迫され、痛みやしびれが発生します。（腰部で発生すると「腰部脊柱管狭窄症」）

この疾患は、脊髄型と神経根型に分類されます。脊髄型では、脊髄が圧迫されることで手足のしびれや歩行障害が生じます。一方、神経根型では、神経根が圧迫されることで首や肩、腕の痛みやしびれが現れます。

２.症状（どのような痛みがあるか）

頸部脊柱管狭窄症の症状は、圧迫される神経の部位によって異なります。主な症状は以下の通りです：

●首や肩の痛み：特に首を動かした際に痛みが増すことが多い。

●腕や手のしびれ：神経が圧迫されることで感覚異常が生じる。

●筋力低下：手の細かい動作が難しくなることがある。

●歩行障害：重症の場合、下肢にも影響が出ることがあります。

●排尿・排便障害：脊髄型の狭窄症では、神経の圧迫が強くなると排尿・排便のコントロールが難しくなることがあります。

症状が進行すると、日常生活に支障をきたすことがあるため、早期の診断と治療が重要です。

３.原因（なぜ発生するのか）

頸部脊柱管狭窄症の主な原因は以下の通りです：

●加齢による椎間板の変性：椎間板は年齢とともに水分を失い、弾力性が低下します。

●骨棘（こつきょく）の形成：椎骨が変形し、脊柱管を狭める。

●靭帯の肥厚：黄色靭帯が厚くなることで脊髄が圧迫される。

●外傷：スポーツや事故による首への強い衝撃が原因となることがあります。

●先天的な脊柱管の狭さ：生まれつき脊柱管が狭い人は発症リスクが高い。

特に、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用による「ストレートネック」は、近年増加している原因の一つです。

4. 治療（どうやって改善するのか）

治療法は症状の重さによって異なります：

●保存療法（軽症の場合）

-○薬物療法：消炎鎮痛剤や筋弛緩剤を使用。

-○リハビリ：ストレッチや姿勢改善を行う。

-○神経ブロック注射：痛みを軽減するために行われることがある。

●手術療法（重症の場合）

-○脊柱管拡大術：脊髄の圧迫を軽減するために脊柱管を広げる手術。

-○脊椎固定術：不安定な頚椎を固定する手術。

保存療法では、首の負担を減らす姿勢改善やストレッチが重要です。特に、「ストレートネック」の改善を目的としたエクササイズが有効とされています。

5. 日々の生活での注意点（予防と対策）

頸部脊柱管狭窄症の予防と症状の悪化を防ぐためには、正しい姿勢を意識し、適度な運動を取り入れることが重要です。長時間の座り姿勢を避け、こまめにストレッチを行うことで首への負担を軽減できます。また、寝具の選び方も重要で、首に負担をかけない適度な硬さの枕を使用すると良いでしょう。

日常生活での注意点：

●長時間のスマホ・パソコン使用を避ける：画面を見る際は目線を上げ、首に負担をかけない姿勢を意識する。

●適度な運動を取り入れる：首や肩のストレッチを習慣化し、筋肉の柔軟性を維持する。

●寝具の選び方：首の自然なカーブを保てる枕を使用する。

●体重管理：過度な体重増加は首への負担を増やすため、適切な食生活を心がける。

●ストレス管理：精神的な緊張が筋肉の硬直を引き起こすため、リラックスする時間を作る。

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